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創立30周年記念車誕生秘話

2016年9月17日、オーテックジャパンは創立30周年を迎えます。この30周年の節目に、オーテックジャパンを育てて下さったお客さまへの感謝として、オーテックがこれまで培ってきた技術と経験をおしみなく注いだ「30周年記念車」を製作することといたしました。このクルマにかける、私たちオーテックジャパンの想いをお伝えいたします。

※みんカラブログ「AUTECH 1000 Stories」の内容を掲載しています。

  • 第一話
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  • 最終話
【最終話】エレガント、キュートとダイナミックの共存で、見てニッコリ!を実現
デザイン部 城戸 金也

ついにオーテック30周年記念車『A30』が発表されました。この商品については、商品コンセプトやメカニズム部分に関する説明はされてきましたが、デザインについては一切公表していませんでしたので、こうしてご説明させていただける日を楽しみにしていました。

A30のコンセプトは『見てニッコリ、走ってニヤリの究極の30台』です。私たちデザインチームに課せられたテーマは、『停まっていても思わず微笑んでしまう外観』であり、オーナーになられる方には『所有する喜び』をご提供することでした。

そこで、オーテック製マーチとして1997年の発売以来人気のあるボレロがもつ“エレガント、キュート”というイメージに、強烈な“ダイナミック”さを加えて、人とは違う何かを求める方の自己満足をカタチにし、そして、分かる人には分かるウンチクを語れるクルマにしよう、と心がけました。

まず目を引くのは、圧倒的な迫力のオーバーフェンダーだと思います。これには、いわゆる「とって付けた感」はなく、メーカークオリティを感じさせる上質感を狙いました。なめらかな面に美しい光が映りこむように、クレイモデルで何度も何度もトライアル&エラーを繰り返し、ベースのマーチ(ボレロ)に対して、圧倒的な迫力と量感のある形を実現しました。

30台とはいえ、ばらつきがあってはなりませんので、実際の生産に際しては、一台一台たたき出すのではなく、型を用いてパネルを作りますが、その原型の玉成や、実車へのフィッティングには、オーテックが誇る板金技術の匠の技が生かされます。

フロントやサイドシルに、いわゆるエアロパーツの類を一切装着していないこともあり、オーバーフェンダーによるワイドトレッド感が際立った、地に足がしっかり踏ん張っている力強いスタンスが完成しました。

オーナーになられた人たちには、所有する喜びと、停まっていても思わず微笑んでしまう感覚を体感してもらえると思います。

リヤスタイルでは、センター2本出しのエギゾーストパイプがその存在感をアピールします。エンジン開発部隊が作り込んだ官能的なエキゾーストサウンドに、所有する喜びと、走ってニヤリという感覚を感じてもらえるはずです。センターにギュッと集約したマフラーが、ぐっと横に張ったフェンダーのスタンスをさらに強調しています。エンブレムを横一線に配したのも、ワイド感強調の意図を込めました。

その他、細部のデザインはボレロであることを大切にしながら、よく見ると実は少し違う・・・そんな特別感を作り込みました。

フロントバンパーは、マーチボレロを元にオーバーフェンダーへのつながりだけを変更したように見えますが、実は全面的に変更されていて全てのバランスを取り直しています。

例えば、ラジエターグリルは通常のマーチボレロに対して10mmほど低い位置に配されており、左右のバンパーフィニッシャーも左右方向に広げた位置に取り付けて、ワイド&ローなバランスにしています。これらのチューニングによって、エレガントな中にも精悍さを持たせられたと思っています。

また、ラジエターグリルやバンパーフィニッシャー、ドアミラーカバーは、深みと重厚感がグッと増したダークメッキ調の塗装を採用して、上質感を演出しました。

アルミホイールは、設計担当からもご説明しましたが、通常の製造工法とは違い、非常に手間とコストのかかる鍛造総削り出しという製造工法で作られています。デザインとしては、FFとは思えない大胆なインセット(注:インセットは2mm)を活かして、強い立体感とシャープさを盛りこみました。

ワイド化されたフロントフェンダーに装着されるサイドターンランプは、通常のマーチの位置のままでは膨らんだフェンダーとの関係で法規を満足しないため、後方かつ上方に移設しています。

また、ランプ自体も、上質感やサイドビューでの取り付け角度、キャラクターラインの流れにマッチさせるために、別の車両の物を採用しています。なんの車種から流用したかは伏せておきますので、みなさんで推測してみてください。

インテリアにおいては、専用の本革巻きステアリング越しに覗く専用のメーターに、通常のマーチとは全く違う雰囲気を感じられると思います。大径のタコメーターには9000rpmまでのスケールが刻まれ、スピードメーターも220km/hスケールとしています。

フロントシートには、『サーキットではなく日常使いでの楽しさやロングツーリングでの快適性を』という走りのコンセプトに照らして、レカロシートの中ではコンフォート系に属するLX-Fを採用しました。

リヤシート表皮はシックなブラック一色で引き締め、シフトブーツなども含めて各部のステッチはシルバー/グレー系で統一することで、全体をシックにコーディネートしています。

また、足元には、AUTECHロゴが刺繍されたフロアカーペットが敷かれ、ペダルにはアルミ製のペダルパッドを採用しています。

センタークラスター部に貼られた「AUTECH 30th. Anniversary」というエンブレムには、限定30台を示すシリアルナンバーを刻みました。

また、エンジンルームにもオーテックのエンジンの匠が手作りで組みあげたことを示すエンブレムを装着しています。

なお、ボディカラーは、マーチボレロのテーマカラーであるナイトベールパープルをチョイスしました。

以上、まだまだ語りつくせないほどのこだわりがありますが、続きはいつかまたの機会にご紹介させていただきたいと思います。本プロジェクトで掲げられた“笑顔製造機”というキーワードのものとに、全社が一体となって取り組んだことにより、オーテックの創立30周年記念にふさわしい車が完成したと思っています。

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  • 第二話
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