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創立30周年記念車誕生秘話

2016年9月17日、オーテックジャパンは創立30周年を迎えます。この30周年の節目に、オーテックジャパンを育てて下さったお客さまへの感謝として、オーテックがこれまで培ってきた技術と経験をおしみなく注いだ「30周年記念車」を製作することといたしました。このクルマにかける、私たちオーテックジャパンの想いをお伝えいたします。

※みんカラブログ「AUTECH 1000 Stories」の内容を掲載しています。

  • 第一話
  • 第二話
  • 第三話
  • 第四話
  • 最終話
【第一話】社員有志の活動がお客様の共感を呼び、お客様の声が会社を動かした。
商品企画部 主管 永澤清和

オーテックジャパンは今から30年前の1986年、故・櫻井眞一郎初代社長のもとに創業し、通常の量産車では飽き足らないニーズを満たすべく、数々の商品を提供してきました。

今では多くの自動車メーカーやその関連企業が、メーカー製カスタムカーを販売するようになりましたが、当時は改造車を合法的に登録して普通に使うことは、一部のマニアだけのものでした。逆に言うと改造車=違法というイメージが主流といってもおかしくない時代でした。

オーテックはそんな時代から「誰もが安心して手に入れることができ、普通に乗れる、ちょっと特別な日産車」を提供しようというスタンスで物つくりをしており、これをもって「ファクトリーカスタム」と自称しています。

この30年の間に従業員の数も増え、世に送り出すクルマの数も飛躍的に伸びました。それもこれもすべてお客様にオーテックの車を買っていただいたおかげです。
そんなオーテックを育ててくださったお客様への感謝として、30周年を機に記念になるクルマを作りたい!そういう思いで、この記念車プロジェクトがスタートしたのは2014年の秋でした。

実は、オーテックでは、過去にも何台かの記念車を作っています。
創立10周年記念としてラシーンベースに駆動方式をFR化したA10を、25周年の時にはV36スカイラインをベースに内外装、エンジンや足回りにも改造を加えたA25を製作しています。このほかにも、K11マーチをミドシップ化しSR20エンジンを搭載したMID-11、K13マーチをワイドボディ化しエンジンチューンを施したボレロRなどもあります。

しかし、これらはあくまでも社内有志が、会社の定時後に集まって手弁当で製作したものでした。
部門の垣根を越え、担当職務を超え、車を実際に作ってみる作業を通じて、自社にできることを再認識し、技能の伝承や、社内のコミュニケーションを活性化するのが目的でした。

このような作り方ですので、出来上がった車は販売はしていませんが、AOG湘南里帰りミーティングなどに展示したり、各種イベントで実走行させた際には、高い評価をいただきました。

しかし、高い評価をいただけばいただくほどお客様の反応が厳しくなったのも事実です。それは、自分たちだけで楽しんでいてズルい!売ってくれればいいのに・・・、でした。

なぜ、売ることができないのか?
冒頭に話した通り、オーテックが作るカスタムカーは、誰もが安心して手に入れることができ、普通に乗れるちょっと特別な日産車、です。それは、信頼性、耐久性はもちろん、補修のための対応まで整えてはじめて約束されます。たとえ1台だけだとしても、それを満たさないのはオーテックのファクトリーカスタムと呼べません。

そこで、今回の30周年記念車は、そこまでを実現する・・・すなわち少量ではあっても、市販することを前提に、企画をすすめることが社内で承認されました。

つまり、社員有志の活動がお客様の共感をよび、お客様の声が会社を動かした、ということになります。

これまで有志社員が製作して名付けたA10、A25とはまったく違う体制での取り組みになりますが、この車の名称を、だれからともなく「A30」と呼ぶようになったのは、当然の流れだったのかもしれません。

市販する以上は、これまでのような手弁当では間に合いませんので、社内のすべての部署からメンバーを募りタスクチームを立ち上げることとなりました。タスクチーム内では、まずはどんな車を作るのかの議論を始めました。

ご想像の通り、熱いハートをもったメンバーが集まっての議論、簡単にまとまりません。コンパクトスポーツ、モンスター、スポーツセダン、旧車再生・・・あまりにまとまらず、初心に返りお客様の声を聞くことにしました。結果は、ブログやフェイスブックでご覧になったとおり、驚くほど社内の意見と同じでした。

これを前提に、さらに議論をすすめました。オーテックのやりたいこと、オーテックにできること、お客様がオーテックに期待すること、ただのドリームカーで終わらせず現実的に買えるクルマであること・・・それらをすべて満たす車とは?メンバー内は勿論、役員とも揉めました。そして、最後まで悩みぬいた末に、記念車のベースとして選んだのは、マーチでした。

オーテックは、マーチを通じていろんなことにトライしてきました。

ボレロに代表されるおしゃれ系上質コンパクトカー、福祉車両としては日本初の回転シート車を、ドライビングの教科書とまで評され今でもファンの多い12SR、市販化には至らなかったがMID-11もボレロRもマーチ。乗り降りのしやすさで究極を目指したコンセプトカーを作ってみたこともあります。新しいことへのトライアルやスタディのベース車はいつもマーチでした。

マーチは日産の・・・いや、日本のザ・ベーシックカーです。そしてオーテックはマーチでいろんなノウハウを培い、一緒に成長してきました。30周年記念車としてのベース車にマーチを選んだのは、ある意味でこれも必然だったかもしれません。

では、マーチで何をするか?

記念車というからには、オーテックのノウハウをフルに注ぎ込みたいと考えました。
僕たちはとにかく仕事を忘れて楽しもう、出来上がった車は笑顔で送り出そう、買ってくださったお客様には喜んでほしい、そしてトコトン楽しんでほしい。この車を見た時、乗った時、思い出しただけで笑顔になれるような存在になって欲しい、そんな思いをカタチにしたいと思いました。

キーワードは笑顔。見てニッコリ、走ってニヤリの笑顔製造機

だれかと競争するのではなく、普段使いで感じられる気持ちよさ。仕事帰りやドライブの帰りでも、思わず遠回りして帰りたくなるような、ずっと走り続けたくなるような、そんなクルマにしよう!とコンセプトが固まりました。

そしてお客様に提供したい価値は以下の3つです。
① 所有する喜び
見た目も中身がスペシャル、茅ヶ崎職人謹製、手作り限定車。

② 停まっていても思わず微笑んでしまう外観
みんなに愛される癒し系のマーチ。だけど、なんとなくただものではないことを予感させる、小さいくせにちょっと生意気な微笑ましい外観。

③ 走らせると思わずにやけてしまう走行性能
高回転化による気持ちの良い加速感と官能的なサウンド。手に余る性能ではなく、自分で100%使い切れる性能。(ストイックにライバルと競うのではなく操る喜びを感じたい)ずっと走り続けたくなる・・・動性能と上質な乗り味の高次元バランス。

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